緩和ケア内科

診療案内

　2021年度の「緩和ケア病棟」の入院数は193名（男性100名、女性93名）、入院時の年齢は49歳から95歳で平均年齢は74.9歳でした。悪性腫瘍の種類は例年とほぼ同じく、肺癌、胃癌、膵癌などが主でした。患者さんの地区別の入院状況でも例年と同様、福岡市西区、早良区、糸島市で全体の92.7％を占めていました。これは2012年の77％に比べて増加しており、「緩和ケア病棟」が患者さんやご家族の生活基盤がある地域に密着した施設であることを示しています。「緩和ケア外来」には、昨年度105名の患者さんを紹介していただきました。昨年度の緩和ケア病棟在宅復帰率は21.1％でした。 

　昨年度に続き、今年度も新型コロナ感染症が緩和ケア病棟の運営にも大きな影響を与えた1年でした。感染防御の観点から、家族の面会、付き添い、患者さんの外出・外泊の制限を余儀なくされました。残り時間が限られた患者さんとその家族にとって、家族として過ごす時間が、かけがえのない大切なものであることを実感しました。コロナ禍で患者さんとその家族の切実なニーズを目の当たりにして、地域における緩和ケア病棟の役割について改めて考えさせられた1年でした。 

　緩和ケア病棟にとって最も大切なことは、終末期の患者さん・家族の様々なニーズに、より善く応えることです。病気が治らない困難な状況を生きている患者さんは、治らないということは仕方のないことだが、最期の時を迎えるときまで、毎日を安心して自分らしく生きてゆきたい、自分なりに納得して生活してゆきたいと真摯に希望されていると思います。 

　これからも、訪問看護、訪問診療との協力・補完体制の充実、親切で細やかな対応など、患者さんとご家族、近隣の医療機関の皆様方のご要望にしっかり応えられるように努力してゆきたいと思います。 

医師紹介

---